15.選手は収益の何%を受け取りますか?
選手との契約は、選手と球団との間で個別に交渉され、各選手が個別に受け取ることのできる金額はいくつかの要因によって決定されます。
選手は、予想BRIの50%*1に、収益が予想を上回った(あるいは下回った)金額分の60.5%を加えた金額を受け取ることが保証されており、下限はBRIの49%、上限はBRIの51%となっています。
以下の表は、2017年のCBAで設定された2017-18シーズンから2023-24シーズンまでの各シーズンの予想BRIとその50%の金額です。
(Bはビリオンドル、1B=1000Mです。)
例①
2017-18シーズンのBRIが5.418B(=収益が予想を100M上回る)だった場合
選手の取り分は2.7195B保証されます。
その内訳は以下の通りです。
- 5.318Bの50%である2.659Bに、実際のBRI(5.418B)が予想(5.318B)を上回った額(100M)の60.5%に相当する60.5Mを加える
例②
2017−18シーズンのBRIが4.8B(=収益が予想を518M下回る)だった場合
選手の取り分は2.352B保証されます。
その内訳は以下の通りです。
- 5.318Bの50%である2.659Bから、実際のBRI(4.8B)が予想(5.318B)を下回った額(518M)の60.5%に相当する313.39Mを引く
- 上記の計算では2.346Bという数字が求められるが、これは下限であるBRIの49%を下回っているため、最終的にはBRIの49%である2.352Bとなる。
以下の表は各シーズンの実際の数値です。
個々のサラリーはシーズン開始前(多くの場合は数年前)に交渉され、BRIはシーズンが終了するまで決定されないため、サラリーが目標を下回った場合に調整する仕組みがあります。
選手が受け取るBRIが保証額を下回った場合、リーグはその差額を選手会に小切手で支払い、その金額が選手に分配されます(2011年のCBAでは、2014-15、2015-16、2016-17シーズンにこの現象が起きています)。
エスクローシステムは、選手が保証された分以上の収入を得た場合、選手のサラリーを調整します(質問番号16を参照)。
追加のベネフィットプールは、選手の取り分から出るBRIの1%によって賄われています。
このプールは、権利が確定した選手の様々な福利厚生や年金のために使用されます。
エスクローに超過額(質問番号16を参照)があり、エスクローの資金がサラリーや福利厚生を選手の指定された取り分まで下げるのに十分でない場合は、このプールから残りの部分を取り出します。
2019-20シーズンはCOVID-19の影響で大幅に収入が減少しました。
その結果、大幅な調整ではなく微調整のために設計されたエスクロー制度では不十分だったため、リーグはベネフィットプールにあった97Mも使用しました。
また、リーグと選手会は、エスクローの大幅な増額を実施しました。
これらの措置を組み合わせることで、サラリーや福利厚生を選手の指定の負担額まで下げることができました。