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24.Designated Player ruleとは?より高いマキシマムサラリーを獲得するためのパフォーマンスの基準は何ですか?

特定の選手は、通常受けることができるよりも有利な年数、有利なサラリーでの契約や契約延長を結ぶことができます。

これはルーキースケールの契約を終えた選手(およびNBAキャリア4年目を終えた他の選手)に適用され、サラリーキャップの30%までの初年度のサラリーを受け取ることができます(通常は8〜10年目の選手に適用されます)。

また、ルーキースケールの契約延長を終えた選手(およびNBAキャリア8〜9年目を終えた他の選手)にも適用され、サラリーキャップの35%までの初年度のサラリーを受け取ることができます(通常は11年目以上の選手に適用されます)。

また、ルーキースケールの延長契約を結んだ選手は、所属チームに指定されることにより合計6シーズン(ルーキースケール契約の残っているシーズンを含む)の長期の契約延長を受けることができます。

高いマキシマムサラリーを得るためには、選手は特定のパフォーマンス基準を満たす必要があります*1
以下の項目のうち、少なくとも1つは当てはまっていなければなりません。

 

  • 直近のシーズン、または直近のシーズンの前2シーズンの両方で、オールNBAファースト、セカンド、サードチームのいずれかに選出される
  • 直近のシーズン、または直近のシーズンの前2シーズンの両方で、DPOYに選出される
  • 直近の3シーズンのいずれかで、NBA MVPに選出される

例えば2018年のオフシーズンであれば、選手が以下のいずれかを達成した場合、パフォーマンス基準を満たしたことになります。

  • 2017-18シーズンにオールNBAファースト、セカンド、サードチームのいずれかに選出される
  • 2015-16シーズンと2016-17シーズンの両方でオールNBAファースト、セカンド、サードチームのいずれかに選出される
  • 2017-18シーズンのDPOYに選出される
  • 2015-16シーズン、2016-17シーズンの両方でDPOYに選出される
  • 2015-16、2016-17、2017-18シーズンのいずれかでNBA MVPに選出される

     

     

 

これらのルールや基準のネーミングは、やや一貫性に欠け、混乱を招きます。

Designated Veteranルールは、8年あるいは9年のキャリアの選手との契約や契約延長の際により高いサラリー(上限はサラリーキャップの35%)を提示することができるというものです。

Designated Rookieルールでは、ルーキースケール契約を終えた選手との契約延長をすることができますが、高いマックスサラリー(上限はキャップの30%)の規定はありません。

実際には、Designated Rookieルールの適用を受けるために選手が満たさなければならないパフォーマンスの基準はなく、チームによって指定されるだけで、より長い契約延長を結ぶことができます。

指定された選手は「5th Year, 35% Max Criteria」を達成することで、より高いマキシマムサラリーの資格を得ることができます。


8年または9年のキャリアの選手がより高いマキシマムサラリー(サラリーキャップの35%まで)の資格を得るための基準は5年目のDesignated Playerと同じですが、CBAではこれらの選手のことを「Designated Veteran Player 35% Max Criteria」と定義しています。

高いマックスサラリーの資格があるからといって、必ずしも実際にその金額を受け取るというわけではありません。

すべての契約と同様に、実際のサラリーは選手(あるいは代理人)と所属チームとの交渉次第です。
ただし、Designated Rookieは、最低でもサラリーキャップの25%を受け取る必要があります。

また、5年目のシーズンを迎える選手の場合、サラリーキャップに対する割合は、その選手が5th Year, 35% Max Criteriaをどのように満たすかによって決まります。

例えば、ルーキー契約延長では、オールNBAセカンドチームに選出されて基準を満たした場合は27%、オールNBAファーストチームに選出されて基準を満たした場合は28%、MVPに選出されて基準を満たした場合は30%を受け取るように指定することができます。

1つのチームが一度にロスターに登録できるDesignated Playerの数には制限があります。1チームにつき2人までのDesignated Rookie(より長いルーキースケールの延長を受けた者)と、2人までのDesignated Veteran(30%以上のマキシマムサラリーを得た選手)を所属させることができます*2

ただし、トレードで獲得できるDesignated Rookieは1人だけです。

 

Designated Veteranの契約延長は、ジュライ・モラトリアムの終了後からレギュラーシーズン開始前日までにしかできません。

またDesignated Veteranの契約や契約延長にサインした選手は、サインしてから1年間トレードすることができません。

まとめると、Designated Player ruleと5年目の30%の上限基準を使って契約できる契約や契約延長の種類は以下の通りです。

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※ラッセル・ウェストブルックとジェームズ・ハーデンは、このルールの例外的な適用が認められた。それぞれが2016年に延長契約を結んでいたにもかかわらず、同じチーム(それぞれオクラホマシティとヒューストン)に残り、パフォーマンス基準を満たすことで、2017年にDesignated Veteran ruleに従って新たに契約延長を結ぶことが認められた。

 

契約延長については質問番号58番で解説しています。

 

*1:2017年に限り、4年目のシーズンを終えた選手がサラリーキャップの30%を獲得するために、従来の基準が適用された。1)オールNBAのファースト、セカンド、サードチームに2回以上選出される、2)オールスターゲームでスターターに2回以上選出される、3)NBA MVPに1回以上選出される。

*2:解雇された選手は、元々の契約が残っている期間、Designated Playerの2人の人数制限にカウントされ続ける。ただし、その選手のキャップヒットがストレッチされた場合(質問番号64番参照)、ストレッチされたシーズン中は人数制限にカウントされない。例えば、残っている契約が2020−21シーズンのみのDesignated Veteranが2020年に解雇され、キャップヒットが2021-22シーズンと2022-23シーズンにストレッチされた場合、その選手は2020-21シーズンのみ指定されたベテラン選手2人の人数制限にカウントされる。