20.罰金以外にタックスチームに制限はありますか?「エプロン」とは?ハードキャップとは?
質問番号18に記載されているタックスの金額に加えて、タックスチームには以下のような制限があります。
- タックスチームは、同時トレードで獲得できるサラリーが小さくなる(質問番号86を参照)
チームサラリーがエプロンと呼ばれるラインを超えると、さらに制限がかかります*1。
2017-18シーズンのエプロンは、タックスレベルから6M上にありました。
それ以降のシーズンでは、エプロンはサラリーキャップの上昇率あるいは下降率の1/2ずつ上昇あるいは下降します。
以下は、各シーズンのタックスとエプロンの金額です。
チームサラリーがエプロンを超えているチームには、上記のタックスチームの制限に加えて以下のような制限があります。
なおチームサラリーがエプロンを超えているかどうかは、取引終了時のチームサラリーで判断します(例えばサイン&トレードの場合、トレード後のチームサラリー)。
- エプロンを超えているチームは、バイアニュアル例外条項(質問番号25を参照)を使用できない
- エプロンを超えているチームは、ミッドレベル例外条項(質問番号25を参照)の枠が小さくなる。具体的には、エプロン未満のチームが4年契約を提示できるのに対し、エプロンを超えているチームは3年契約以下となり、初年度のサラリーも低くなる
- エプロンを超えているチームは、サイン&トレード取引で選手を受け取ることができない(質問番号92を参照)。なお、チームがエプロンを超えているか超えていないかは、サインだけではなく、サイン&トレード完了後に計算される
- エプロンを超えているチームは、ギルバート・アリーナス条項(質問番号43を参照)において、エプロンを超えていないチームと同じ保護を受けることはできない。
アリーナス条項では、他のチームは制限付きフリーエージェントに対して、ノンタクスペイヤーミッドレベル例外条項までのサラリーを提示することができる。
拒否権を持っているチームが、その選手のアーリーバード権を持っておらずエプロンを超えている場合、使えるのはより小さいタックスペイヤーミッドレベル例外条項だけであり、満額のノンタックスペイヤーミッドレベル例外条項のオファーにはマッチできない
上記の例外条項などはエプロンを下回っているチームのためのもので、エプロンはこれらの例外条項を使用したシーズン全体に適用されます。
例えば、チームサラリーがエプロン未満のチームがバイアニュアル例外条項を使用した場合、そのシーズンの残り期間(翌年の6月30日まで)、エプロンを下回っていなければなりません。
言い換えれば、チームサラリーがエプロン未満のチームが、バイアニュアル例外条項を使用したり、サイン&トレードで選手を獲得したり、ノンタックスペイヤーミッドレベル例外条項を使用してタックスペイヤーミッドレベル例外条項で認められているよりも大きな契約を選手と結んだりすると、そのシーズンの残りの期間、エプロンによってハードキャップになるということです。
これにより、チームが先にこれらの例外条項を使用し、その後契約によってサラリーを追加してエプロンを超えるという抜け道はなくなります。
チームがハードキャップとなっている場合、どのような状況であってもエプロンを超えることはできません。
もしチームがその後選手と契約する必要がある場合(例えば、負傷した選手の代わりに)、まずエプロンとの間にスペースを作らなければなりません。
そのためには、サラリーが保証されていない選手を解雇する、サラリーが保証されている選手を解雇してストレッチ条項を利用する、トレードをしてサラリーを下げる、などの方法があります*2。
ハードキャップの対象となるチームは、サマー契約(質問番号70を参照)を利用してトレーニングキャンプに参加する選手と契約することができますが、ハードキャップを下回るために必要であれば、レギュラーシーズン開始前にウェイバーをクリアしなければなりません。
ハードキャップの対象となるチームは、サラリーの日割りによってエプロン以下に抑えることができるのであれば、シーズン中にRest-of-Season契約で選手と契約することもできます。
チームサラリーの計算は、質問番号13の内容によって調整されます。