21.収益分配はどのように機能しますか?ラグジュアリータックスとどう違うのですか?
ビッグマーケットのチームが生み出す高い収入は、BRIを増加させ、サラリーキャップを増加させ、すべてのチーム(低収入のスモールマーケットのチームを含む)が選手のサラリーに費やすことを余儀なくされ、それが持続不可能なシステムにつながっています。
リーグの収益分配プランは、CBA(ラグジュアリータックスを含む)と並行して、フランチャイズの経済格差に対処するためのワンツーパンチとして機能しています。
これは、高収入のチーム(一般的にビッグマーケット)からより低収入のチーム(一般的にスモールマーケット)に資金を再分配し、全30チームの持続可能性と収益性を高めることを目的としています。
NBAでは、2005年のCBA以降、何らかの形で収益分配を実施しています。
2005年のCBAでは、その財源はすべてタックスで賄われ、1シーズンあたり平均40Mが再分配されました。
しかし、多くの場合チームは自分たちがプールに入れたお金を取り戻すだけなので、正味の再分配額は総分配額よりもはるかに少ないものでした。
現在のプランでは、例えば2013-14シーズンには153Mがスモールマーケットのチームに再分配されました。
このプランのコンセプトは、各チームが総収入の同じ割合を共通のプールに拠出し(アリーナ費用などの特定の費用を除く)、そのプールの1/30のシェアに相当する配分を受けるというものです*1。
こレにより、収益の少ないスモールマーケットのチームは拠出額が受け取り額を下回ることになり、このプランにおいて利益を得ることとなります。
一方ビッグマーケットのチームは、受け取る金額よりも多くの金額を拠出することになり、このプランにおいては損失が出ることとなります。
本プランのその他の内訳は以下のとおりです。
- このプランでは、チームはプレーするマーケットの規模(チームが指定した市場のテレビ世帯数に基づいて決定される)に応じて、収入のベンチマークを達成する義務がある
ベンチマークを下回ったチームは、その差額をプールへの拠出金で補わなければならない
つまり、チームにはペナルティが課せられる
収入のベンチマークは、リーグ平均収入の65%(ニューオリンズ)から160%(ニューヨーク、ブルックリン)の範囲 - 予想収益に満たないチームは、リーグオフィスと協力してビジネスオペレーションの再編成、スタッフの雇用や入れ替え、新しい販売戦略の採用などを含むビジネス改善計画を策定し、実施することが求められる
このような計画を十分に実行できない場合、チームは収益分配の支払いの一部(最大25%)を失う可能性がある - チームが収入のうちプールに拠出する割合は、リーグ全体の収入のうち選手のサラリーが占める割合に基づく
例えば、選手のサラリーがリーグ全体の収入の50%を占める場合、各チームは収入の50%をプールに拠出することとなる - テレビ世帯数が100万未満のマーケットのチームは、収入の15%以上を拠出する必要はない
- テレビ視聴世帯数が250万以上のマーケットのチームは、レベニューシェアを受け取ることができない
200万から250万のマーケットのチームは、全額支払いの一定の割合を受け取ることができる(例えば、225万のチームは50%を受け取る)
200万未満のチームは、全額を受け取ることができる - 収益分配なしで利益を上げているチームは、支払い額が少なくなるか、ゼロになる
収益分配によってチームの利益が10Mを超えるような場合は、分配はなくなる - 高収入のチームは、支払わなければならない金額に制限がある
5Mを超える利益の30%以上を支払うチームはない - このプランには、毎年15Mの追加のファンドが含まれている
チームはこのファンドから支援金を申請することができる - 収益分配の計算と支払いは次のシーズンの2月に行われる
例えば2017-18シーズンの収益分配は、2019年2月に行われた
次の表は、収益分配プランの下でチームに何が起こるかを簡略化して示したものです。
チームAは収益の少ないスモールマーケットのチームで、チームBは収益の多いビッグマーケットのチームです。
つまり、一部のチームが拠出金を制限しているにもかかわらず、常に全額が拠出されています。
不足した場合は、ラグジュアリータックスとリーグの財源で補います。税収の50%がレベニューシェアの財源となり、残りの50%はタックスを払っていないチームに分配されます。
*1:プール自体は紙上にしか存在しない。150Mをプールに「拠出」し、70Mを「受領」したチームは、実際には差額分の80Mの小切手を送るのみ